ALCパワーボードは、100年の歴史を持つ信頼された外壁材です。
現在日本では、旭化成が製造・販売しており、定評があります。
そんなパワーボードの補修方法などをご紹介していきます。
ALCパワーボードとは
ALCはALCは軽量気泡コンクリートの頭文字をとった略語で、
1920年代にスウェーデンで開発された外壁材です。
ヨーロッパを中心に広がっていき、今では世界中で使われています。
日本では、旭化成が1963年に製造を開始、
そして「ALCパワーボード」が1983年より販売開始されました。
ALCは、通常のサイディングの倍近い厚みがあるため耐久性にも優れています。
また、素材に使われているのは無機質の珪石や珪砂等のため、
発火のリスクが低く火災に強いというメリットがあります。
サイディングに比べてもメリットの多いALCですが、衝撃には弱く、
また吸水性が高いことから防水性能には乏しいため、塗装を行わないとすぐにもろくなってしまいます。
劣化の原因
ALCパワーボードの最大寿命は60年と言われ、かなり長持ちする優れものです。
しかし、この寿命はしっかりとメンテナンスが行われた上での長さですので、
普段からできる範囲で洗うだけでも寿命は伸びますが、必ず定期メンテナンスも欠かさず行いましょう。
1 , 経年劣化
最も多く、そして避けられないのが経年劣化。
10年~15年ごとの定期メンテナンスを行わないと、
塗装が剥がれきってしまい、パワーボードがどんどん劣化してしまいます。
それから波及していき、ひび割れや内部に雨水が浸入し腐食が進むことも起こりかねません。
2 , 強い衝撃による劣化
台風などの自然災害で飛来物が衝突したり、強く物がぶつかることによる劣化もあり得ます。
この場合、傷などが残り劣化の進行が早まりますので、
もし傷を見つけた場合は速やかに対処しましょう。
補修方法
ALCパワーボードは基本的に塗料の塗り替えで補修していきます。
小さなひび割れや剥がれなどは、そのまま塗料を被せてしまえば問題なく埋まるため
そこまで心配しなくても良いでしょう。
ただし、ひび割れがある程度の大きさや深さになっている場合は、
コーキングを使って埋めていき、その後塗装を塗り被せていくという方法が多いです。
●作業工程
1 , ひび割れ部分をカットする
まず、ひび割れが起きている部分をカッターや専用の工具でカットします。
この時、V字かU字どちらかでカットしますが、深いところまでひび割れができている場合は
U字カットが補修材がつきやすくなるため効果的とされています。
2 , プライマーを塗る
ひび割れを埋めてしまう前に、モルタルに補修材が定着しやすくするための下塗りをします。
この時に塗るものがプライマーです。
プライマーを塗る前に補修部分をブラシなどで綺麗にしておくとよいでしょう。
3 , カットした部分を埋める
プライマーを塗った箇所に、ヘラで成形しながら補修剤で埋めていきます。
しっかり埋めておかないと、隙間が空いてしまい劣化しやすくなってしまうので注意が必要です。
4 , 外壁塗装をする
きちんと埋めたら、塗装をしていきます。
この作業は見栄えを良くするだけでなく、補修をしっかりカバーする役割があります。
様々な劣化などがありますが、大切なのは、
少しでも劣化や破損が確認できた段階で、早め早めの対処をしていくことが、
高耐久のパワーボードを最大限活用していく鍵になります。